【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】ばーちゃんの遺品

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】ばーちゃんの遺品

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生きてる人の方が怖いつながり。

ばーちゃんが病院で死んで、
一人暮らしだったアパートに搬送されてくるというので、
近所に住んでた俺が待っていた。

俺は孫ね。

すると、叔父叔母が次々とやってきて、
互いに口もきかずにタンスやら押入れを物色している。

拍手[2回]

ばーちゃんを迎える準備してるのかなと思いながら、
無慈悲な俺はボケーっと待ってた。

やがてばーちゃんが到着して、
葬儀屋の人と俺が室内まで運んでるのにも関わらず、
叔父叔母は手伝わない。

結局俺が布団引いて、
担架からばーちゃん降ろして、
葬儀屋と一緒にドライアイス入れた。

通夜とか告別式とか葬儀の説明は全部俺が聞くことになって、
葬式の総指揮(シャレになったw)を俺がとった。

叔父叔母の子供たち(俺のいとこ)も合流して、
家宅捜索のように室内を物色し続けてたね。

一部の強欲じゃない親戚達は唖然としてた。

そして物色組は、

「嫁いだ娘の家に遊びに行く予定がある」
「同窓会がある」
「友人と旅行に行く」

と言って、
通夜で出す寿司だけ食って帰っていった。

葬儀でねーでやんの。

実の娘とかもいるんだよ。

ばーちゃんの着物やアクセサリーを持ってかれた。

実は俺と俺のお袋は一族から勘当されてて、
墓に入ることも姓を名乗ることも許されてないんだけどさ、

俺がばーちゃんの葬式あげるような形になってよかったと思う。

いい経験になったよ。
(意外と金かかるのな。)

ばーちゃんの葬式が終わった後に残った仕事は、
アパートの引き払い。

捨てるもの、売るもの、誰かが持っていくものを整理する。

買い取り業者が来て大物を運び出す前日、
俺はばーちゃんの匂いがするその部屋で酒飲んで寝た。

しかし夜中に首筋に激痛を感じ、飛び起きた。

電気をつけるとちっこい蛾がハタハタと飛んでいたが、
そいつに刺されたのかどうかはわからない。

・・・赤富士のように小さく腫れて、
先っちょがすげー痛かった。

問題はそんなことじゃなく、
激痛で飛び上がった際に、
業者へ売るはずだった茶箪笥の戸を蹴破ってしまった。

確か買い取り金額は500円くらいだったが、
粗大ゴミとして引き取ってもらうには4000円払わなければならない。

つーことで、俺が茶箪笥を分解して燃えるゴミで捨てるハメになってしまった。

かなづちとのこぎりとバールのようなもので箪笥を壊す俺。

なんて説明していいかわからないけど、
内側というのかな、
箪笥の中に何か貼り付けてある。

貼ってあるのはガムテープだが、
何かを貼り付けているように見えた。

しかもたくさん。

そのガムテープを一枚はがしてみると、
金属の薄っぺらな板が一緒に貼り付いていた。

ガムテープの糊をとって良く見てみると

「・・・・金?」。

テレビとかでよく見る金の延べ棒の、
ものすごいうすっぺらい小さい奴でした。

チョコレートひとかけらくらいの大きさのものもあり、
全部の重さで約1.5キロでした。

全部ポケットに入れて、
ずり落ちるズボンをあげながらこっそり家に持ち帰りました。

深夜、首の激痛がなければ箪笥を壊さなかったので、
業者に渡されてしまっていたんだよね。

ばーちゃんが教えてくれたと勝手に信じ、
形見として大事にしまってあります。

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