【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】アジの夜釣り

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】アジの夜釣り

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山口県の徳山市。

現在は周南市となっているが、
その沖に船で二十分ほど走ったところに、
大津島という人間魚雷回天の基地がある。
(『出口のない海(※映画)』で登場)

その基地の脇へ瀬渡し船で渡して貰い、
久しぶりに一人でアジの夜釣りをしようと思った。

拍手[2回]

その日は暗闇の大潮で入れ食い状態だった。

多分、2時ぐらいだったか、
真剣に浮きを見つめながら次の当たりを待っていた。

すると何処からとも無く、
テレパシーで脳の奥に話し掛けてくる女の人が居た。

「釣れますか?」

と・・・

背後に視線を感じたが、
釣る方に夢中で振り返ろうともせず、
浮きを見つめていたら・・・

「あのう、何匹か頂けたら嬉しいんですが・・・」

と遠慮がちに口篭った。

俺の頭の中にはその女の姿がはっきりと見えたが、
釣る事で他の神経が麻痺していたのか怖いとは思わなかった。

俺はクーラーの蓋を開けて、
右手で自分の左脇の後ろの岩の上に置いた。

数分後、我に返った俺は、
さっき確かに話し掛けられたと思い、
ぞ~っとして、
後ろの岩の上を見ると、
確かにさっきアジを置いた岩が濡れていたが、
アジは勿論無かった。

もし、『出口のない海』を見る機会があったら、
そのコンクリートで出来た発射基地の左側だ。

此処へは船以外簡単には来れない所。

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