【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】テレポートが普通に起こる友人

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】テレポートが普通に起こる友人

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友人Tの話。

彼はとにかく不思議なヤツだった。

まず、身体が異常に柔らかい。

酢を毎日飲んでいた。

そして奇妙な拳法をやっていた。

後にそれがジークンドーって、
ブルースリーの開祖の拳法だと分かるのだが。

拍手[2回]

Tは弓矢を作ってハトを仕留めたり、
おじいちゃんは犬を軍用犬の用に訓練したり。

ある日遊びに行ったら、
弟はトンファーを持ち、
Tはヌンチャクで戦っていた。

まあ練習なんだろうけど、
なじみの無い俺からすると変な光景でした。

ここまでは良くある普通の変なヤツだと思うが。

Tは陰が薄いヤツだった。

といっても、
目立たないとか暗いとかじゃなくて、
気配を完全に無くなる事が良くあった。

拳法の成果なのかどうかは謎だが。

たとえば、よくある友達と一緒に歩いていて、
今まで右にいた友達に話しかけるといなくなってて、
左にきていたって事、誰でもあると思うのだけど、
Tの場合は、これが一日一緒にいると十数回ある。

これはTの友人なら誰でも知ってる事であって、
たまに話題にも上がる。

ヤツは気配を完全に消せると。

そして、T自身が言う調子が良いとき、
彼はテレポートするのだ。

本人は意識してかしてないかはっきりしないが、
俺が見た例は3つ。

一緒に道を歩いていた。

右にいたと思ったTが、
柵の向こうの学校に戻っていくのが見えた。

Tは校舎に入っていった。

唖然として、
しょうがないからそのまま下校したら、
Tは家にいた。

途中で抜かされてもいない。

自転車で坂道を下っていて、
Tが先に角を右に曲がった20Mほど先だろうか、
曲がって見えなくなった瞬間、
後ろにシャーーーって自転車の音が。

まさかと思って振り返ると、
そこに自転車にのったTがいた。

そして一番びっくりしたのは、修学旅行の時。

寝ていたTが、
急にドサッっと空中から落ちたのだ。

上手く表現出来ないが、
寝ている場所から1M上にサッっとそのままの体勢で移動して、
そのまま落ちる。

落ちた後は、気づく様子も無く寝ている。

結構痛そうなんだけど。

んで、これらの事を本人に問いただしても、


「うん、そうなんだよ。右に今曲がったよなあ。
俺、おかしいなあ。なんでここいるんだろ。
でも良くあるんだよこれ」

と言っていた。

Tと数年来の友人なら、
誰でも一度は見たことがあり、
Tはテレポートするんだってのが、
その友人関係の間では当たり前の認識になっていた。

奇妙な話なんだけど、
中学生だしそんなもんだと思ってた。

Tの弟と話す機会があったときに話してみると、
買い物とか家族で行ったときに、
電車の外にドアしまってから移動しちゃって大変だったそうだ。

家族も今では、
いなくなってもほっとくらしい。

あーどうせまた移動しちゃったんだろって。

そして、数年間連絡を取っていなかったTに電話したときのこと。

こっちも大人になってるので、
どうしても気になったので、
テレポートの事を聞いてみた。

そしたら、最近はめっきり少なくなったんだけど、
彼女と同棲してるときにやっちまって、
彼女が気持ち悪がって別れたそうだ。

困ってるんだよなーと言っていたが、
どうしようも無い。

とにかく奇妙だなって思うのは、
友人も家族も俺も含めて、
Tのテレポートが当たり前の認識になってるってことだ。

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