【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】リサイクルの着物

【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
【ほん怖】リサイクルの着物

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近所のおじさんの話。

近所のおじさんは着物が大好きだそうで、
いつ見かけても着物を粋に着こなしている。

最近はリサイクルの着物を扱うお店が増えているので、
おじさんも色々と見に行くらしい。

リサイクルと言っても、
最近はクリーニング後に販売するお店も多いそうで、
昔ほどボロいものばかりではないそうだ。

ある日、おじさんは古いけれど
状態の良い羽織を見つけた。

値段も割安と思えるものだったので、
店の人に

「羽織ってもいいか」

と尋ねたそうだ。

店の人曰く、
大正時代頃の羽織だそうで、
殆ど着用していないのではないか、との事だった。

少し虫食いがあるが、目立つ場所ではないし、
渋い模様がおじさん位の年齢の人にはしっくりくる様に見えたと言う。

姿見の前でさっと羽織ってみると、
そのときに来ていた着物にも良く合い、

またサイズも小さすぎず、
良い感じだったと言う。
(昔の着物はサイズが小さいモノが多いそうで、
なかなかちょうどのサイズはないらしい)

おじさんは早速、
その羽織を購入する事にした。

店の人に手入れの方法などを聞きながら会計を済ませた。

家に戻る途中、どの着物に合わせようか、
あの帯を締めると素敵だろうな、などと考えていると、
ふっと、その羽織を着た背の高い男性の姿が頭に浮かんだ。

おじさんは、

「ああ、この人が前の持ち主かもしれない。
大正時代のものだと言っていたな、
持ち主はもうこの世にはいないのだろう」

と思い、

「私が大切に着させて頂きます」

と心の中で呟いたそうだ。

その後、その羽織を羽織るたびに、
その男性の姿が頭に浮かぶのだと言う。

そして、その羽織はおじさんの友人たちにも好評で、

「いつもより男前に見える」

と言われるらしい。

おじさんは

「だからこの羽織はとても大切にしてるんだ」

「粗末にすると罰が当たるかもしれないね」

と笑った。

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