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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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俺の家、入り口の無い部屋があった。
外から見ると、
一部屋分の区画があるのがわかる。 窓もあったので、 ここに部屋があるんだなとすぐにわかった。 小さい頃窓から覗いてみたりしたけど、 内側から板が打ち付けてあって中は見えない。 父ちゃんと母ちゃんに聞いても、
「昔からああだ」 と言ってよく知らない様子。 その部屋の区画に至る廊下の先は土壁になっていて、 側面の壁と質が違ったから、 ひょっとしたら入り口を塞ぐために後から壁作ったのかな、
と思っていた。 ずっと昔から興味の対象だったんで、 就職して初任給でしたことは、 工務店呼んでその壁を壊すことだった。 父ちゃんと母ちゃんも興味があったみたいで、 やってみろとのこと。 壁を崩すと、 木を格子状に組んだ戸があった。 開けて中に入ると、 4畳くらいの広さの部屋に、 箪笥が一つ、ちゃぶ台が一つ、 さらにちゃぶ台の前には、 背丈が40~50cmくらいの和風のお人形がちょこんと座らせられていた。 ちゃぶ台の上には皿がいくつか置かれ、 いつのものかわからない料理?が干からびていた。 窓に打ち付けられた板の隙間から日の光が射し込んで、 ちょっと綺麗だった。 箪笥の中はほとんど空だったけど、 一番下の段に着物が数着入っていた。 と言ってもサイズは小さく、 どうやらお人形用のようだった。 結局、何のための部屋なのか判らずじまい。 じいちゃんばあちゃんはもういないし、 父ちゃん母ちゃんはやっぱり知らない。 ともかくちょっとお人形がかわいそうだったので、 部屋を掃除して窓の板も外して、 新しい着物を着せてあげて、 何となく毎日ご飯を持っていっている。
(でも以来、特にいいことと言えることは起こってない。
やっぱり偶然だったのかね?) ちょっと怖いというか神秘的な雰囲気だったので、 お人形を追い出して部屋を別のことに使うことはしなかった。 それからしばらく、 親戚の人の病気が治ったり、 弟が結婚したりといいことが続いた。 俺は勝手にあの部屋とお人形のご利益だと思っているので、 今も欠かさずご飯を持っていっている。 PR コメントを投稿する
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