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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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今はお前らと同じクズだけど、当時は普通の学生だった。
Yとは何となく気があって付き合い始めた。 オレは地方から出てきてアパートに独り暮らしだったから、 バイトが終わったら、週に1~2回くらいウチに遊びに来ていた。 ウチでは一緒に酒を飲んだりしながら、取り留めのない話をよくしていたな。 Yも地方から出てきて、妹と一緒に住んでいると言っていた。 当時は普通の学生と言ったが、やっぱり当時もクズだったよ。 Yが妊娠した。 もちろん生めるわけないさ。 2人で相談して堕ろしたよ。 それから何となくぎくしゃくしちゃって、Yとは別れてしまった。 結局付き合った期間は、9ヶ月くらいだったかな。 Yはこのバイトが生活の基盤になっていたから、辞めるわけにはいかない。 結局オレが辞めた。 クズなりに罪悪感もあって、部屋も引っ越したし携帯も変えた。 Yに関するものは全て消して、やり直すことにしたわけ。 やっぱりYのことは好きだったしな。 それから5~6年経ってから突然、新しいアパートに女がやってきた。 どこからどうやって調べたのか分からないが、その女はYの妹と名乗った。 オレにしてみれば、これ以上気味が悪いことはない。 アルバイト先の同僚達とは完全に縁を切っていたから、 オレの新しい住所が分かる筈がないんだ。 Yの妹は、Yが死んだと言った。 病気か事故か自殺か分からない。 オレは聞こうともしなかったし、Yの妹も言わなかった。 もちろん、死んだのはオレのせいなんて言わなかった。 当たり前だ。 一応お互い納得して別れてるんだし、それに別れて何年経ってると言うんだ。 Yの妹は 「お願いだから一度墓参りに行って欲しい」 と言い、オレに墓園の住所のメモを渡した。 その場は分かったと言ったが、行くわけないよな。 Yの妹には 「墓参りには必ず行く。ただYのことは正直思い出となっていた。勘弁して欲しい」 と、暗にもうオレのところには来ないで欲しいとお願いした。 もうオレにとっては過去のことだったし、それに仕事だってある。 Yの妹には悪いが、正直気持ち悪かったからメモもすぐに捨てた。 確かにYを好きだった時もあったが、その時はもう別の彼女もいたしな。 念のためオレはまた引っ越したよ。 万が一また来られたらイヤだからな。 その時付き合っていた彼女をAとさせてもらうが、Aは会社の同僚だった。 Aは事務職でオレは営業。 オレは帰りが午後10時過ぎになるのは当たり前だった。 会社が休みの前には、Aは時々メシを作りにウチに来て、泊まっていっていた。 Yの妹が現れてから1年経ったか経たないかといった辺りの夏。 フラフラになって帰ったら、Aがメシを用意して待っていた。 風呂から上がって、テーブルでビールを飲みながらAを見たら、何かAがおかしいんだ。 Aがダブって見えるんだよ。 オレは近視で眼鏡を掛けており、風呂上がりで眼鏡を外していたのと、 疲れ目でダブって見えたのだと思った。 でも何か違うんだ。 Aとほとんど同じサイズの人間が、20~30㎝くらい近づいたり離れたりしてるんだ。 ピンぼけ写真を見ている感じなんだよ。 あれれ?と思って眼鏡を掛けても見えるんだ。 Aはその手の話がまるでダメなので、 オマエに被さって女が見える、なんてとても言えない。 どうしてじっと見てるの、何か顔に付いてる?って顔をしてる。 しかも、ダブっているのはAじゃない。 全く知らない女の顔なんだ。 その時は電気が点いて明かりが煌々としてるから、 怖くも何ともなかった。 とにかく不思議だっただけ。 午後10時まで仕事なんてブラック会社に比べれば大したことないだろう、 と言われりゃそれまでだが、 オレにしてみたら、仕事のしすぎで幻覚が現れたと思ったよ。 多分、それが見えたのは30秒間くらいだったと思う。 じっとAを見ていた筈なのに、そのダブった女はいつの間にか消えていた。 本格的にそれが出てきたのは、更に半年くらい経ってからだった。 泊まりに来ていたAとベッドで寝ていた時、 深夜2時頃だったと思うが、正確な時間は分からない。 酔ってもいたしな。 Aが突然オレを起こした。 何だと思ってAを見たら、Aの頭が変なんだ。 右側(オレから見たら左側)が大きいんだよ。 !?と思ってよくよく見たら、 ゆっくりAの頭の右から又あの女が出てきたんだ。 オレの目の前30㎝くらいにだ。 そして、その女はにやにやしながらオレを見た後、どうしたと思う? ゆっくりAの頭を喰いだしたんだ。 喰ってたとしかオレには見えなかった。 もちろん実際に喰ってた訳じゃないから、 Aの頭が食いちぎられてはいないんだけど、 目だけオレを見据えてAの頭を喰いながら、Aの頭に重なって沈んでいくんだ。 うまく説明できないが想像してくれ。 女の頭だけ、Aの頭に潜ったり出たりしているんだ。 女がAを喰う度に、Aが苦しそうに目を瞑るんだ。 「なんかすごく頭が痛い」 とAが言うのだが、オレは金縛り状態になっていた。 女は最後にもの凄い笑顔をして、舌を出しながらAの中に入って消えた。 この時に、この女がYの妹だと分かった、と言うか頭の中で理解した。 1回しか会っていないし、まともに顔を見ていないから、 (と言うか、オレを訪ねてきた時には、まともにはYの妹の顔を正視できなかったから)
初めて出てきたときには分からなかったんだ。 あれはきっとYの妹の生き霊だったんだろうな。 そうとしか思えない。 それからAはひどい頭痛持ちになった。 Aには全く関係無い話だし、 正直言わせてもらえればオレにだって関係無い。 こういうのを逆恨みと言うのだと思う。 それからAに会う度、ほんとに突然Yの妹が出てくる。 Aが風呂から上がった際、トイレから出てきた際、 ウチの中だけじゃなく外で会っている時もだ。 1回はキスしようとしたら、いきなりAの顔がYの妹になったので、 思わず「ひっ」と言ってしまった。 今までを読んでくれれば分かる通り、 そんなに強いハートじゃないオレは、Aと別れざるを得なかった。 でも、その後も3~4日に1回はYの妹が出てきた。 毎日出てくる訳じゃないし、 どのタイミングで出てくるか分からないので、 逆に毎日の生活がもの凄く怖かった。 鏡を見るのも怖い、仕事が終わって アパートに帰ってカーテンを閉めるのも怖い。 (時々窓に映った) 電気を消して眠ることが出来なくなった。 電気代は毎月1万円近くなってしまったよ。 とりあえず何をしたかと言うと、Yの妹を捜したよ。 会ってどうなるものでもないかもしれないが、 Yの妹がオレを恨んでるなら、ひたすら許しを請うつもりだった。 だけど名前も連絡先も知らないし、 思い切って昔のバイト先に行ってもみたが、 当時のバイト仲間は誰もおらず、社員も異動してしまい、 誰もYのことは分からないと言う。
(履歴書関係は、本社で一括管理しているらしい) 次に頼ったのは霊能者だった。 あいつらはオレ以上のクズだな。 最初は1~3万円くらいで対応してくれるが、 すぐに10~30万円くらいの本格的な除霊を勧めてくる。 しかも効果は無いに等しかった。 最後は病院。 初めからここにしておくべきだったよ。 薬は最初はエビリファイ、次にジプレキサになった。 おかげでこの頃は大分楽になってきた。 Yの妹も最近はほとんど見なくなった。 仕事も辞めて、親元に帰ったのも良かったと思う。 親には仕事のストレスで鬱になったと説明している。 今はコンビニでバイトをしているよ。 30超えてるし病気持ちだから、多分まともな就職は無理だろうと思ってる。 落ちのない話だが俺の話はここまで。 付き合ってくれてありがとう。 PR |
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多分堕胎で体調崩したんだと思うぞYさん。あれ本当に体に負担がかかるんだぞクソ男。