【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】奇妙な発光体

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】奇妙な発光体

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私は航空自衛隊でパイロットをやってる者ですが、
先月奇妙な体験をしたので聞いてください。

それは私と僚機の二機で、
地形慣熟飛行の訓練を行っていたときのことです。

場所は中国山地上空、
時間帯は1800過ぎ、
ちょうど地平線に太陽が沈むころでした。

拍手[2回]

そろそろ基地へ帰投する時間ということで、
45°左バンク姿勢をとったんですが、
ふと地面の方向に目をやると、
西日を浴びて陰影の濃くなった山の頂付近に明滅する灯りが。

登山者か?

そう考えてあまり気に留めてなかったのですが、
緊急信号の可能性もあるので、
一応僚機に無線を送ったんです。

ところが、

『いや、こっちからは視認できない』

との無線が。

編隊の間隔はおよそ20mほどですので、
私から視認できて僚機からできないというのは、
ありえないはずなんですが…。

私は灯りが気になり始めたので、
僚機にバンクの維持を命じ、
その灯りの移動を確認しようと考えました。
(移動してるなら緊急信号ではないはずですから)

しかし、灯りが移動した感じもなく、
いよいよ緊急信号かと思い、
基地へ詳細を伝えるために、
無線スイッチへ手を伸ばしたときでした。

HD越しにその山を見ていたのですが、
ふいに明滅する灯りが上昇し始めました。

当然頭の中は???状態。

その光る物体はフワフワと少しずつ上昇し、
いよいよ当機と同じくらいの高度まで来ていました。

私は僚機に怒鳴るように同空域からの離脱を命じ、
編隊を解して距離をとることにしたんです。

そして、その空域から20kmほどの指定空域まで離脱し、
また光の方向に機首を向けたときです。

なんと、すでにシルエットになった山の稜線から、
無数もの光がフワフワと浮き上がっていました。

もちろん、すでに僚機も無数の光を視認しており、
二機とも軽いパニック状態。

私は危険だとは感じませんでしたが、
万が一を考えてできる限り距離をとろうと思い、
再びバンクに入った時でした。

ちょうど同じ高度に漂っていた光の群れが、
ものすごい速さで急上昇を始めました。

なにか、まるで示し合わせたみたいに全くの同時に。

そして、あっという間にその光は、
薄紫の空の中に消えていきました。

私と僚機は、
しばらく口をきけないまま周辺空域を飛び続けましたが、
燃料がやばくなったらコトですので、
あわてて基地に帰投して、上官の聴取を受けました。

やばいな、なんて説明すればいいんだろう…
と、かなりびびっていましたが、
上官が一言、

「今日のは記録には残さんからな。よくある事や。気にするな」

後で聞いた話ですが、
空の世界では、山から浮かび出る奇妙な発光体というのはよくある話だそうです。

もちろん私も僚機も初体験でしたが。

けっきょく同僚との話では、
死者の魂なんじゃないか、
という結論になりました。

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