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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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突然タケシが、
「赤い蝶がいた!」 って言って走り出した。 俺もすぐにその後を追う。 夢中で走って、
息が切れた頃にタケシが立ち止まった。 「タケちゃん。どうした?逃げられちゃった?」
「ああ、逃げられた。すごいデカイ蝶だったぜ!」
その後も赤い蝶を探して歩いたが、
とうとう見つからなかった。 日も暮れ始め、
そろそろ帰ろうかということになり、 帰り道を歩き始めた。 その山では
『夕日に向かって歩く』 という掟がある。 夕日向かって歩けば道路に出られるからだ。
もし、迷子になっても、
夕日に向かって歩けば絶対に道路に出るという地形になっていた。 しかし、その時の俺達にはそんな掟は不要だった。
この山は知り尽くしている。
だから、迷子になって夕日を頼りにすることなんてあり得ない。 俺達はゲームの話しをしながら歩いていた。
「あれ?なにこれ?」
どういう訳か、
通行止めの標識が立っている。 道路なんて無い山の中にだ。 その時は道路標識がどういう物か知らない。
今まではこんな物は絶対になかった。 「なんだろ?道間違ったかな?」
「そんなわけ無いよ」
「でも、こんな道知らないぜ」
「・・・。確かに見たこと無いね。迷子?」
「ちょっと、戻ってみよう」
危機感のかけらも無く、
後戻りしてみる。 しかし、戻れど戻れど知らない風景。
こんなことはあり得ない。 「え~!ここどこ?」
タケシが泣きそうになってた。
俺もこんな所は来た事がない。 とりあえず、夕日の方向に歩き始めた。
それがここの掟だ。 段々と日が暮れてきた。
夕日に向かって歩くと、すぐに道路に出た。
そのままタケシと別れて、
俺の家まであと500mくらいの場所で、
後ろからタケシがものすごい勢いで走ってきた。 話を聞くと、
タケシの家で葬式が行われているらしい。 驚いて、家に帰れず俺を追いかけて来たと言う。
タケシにせがまれて俺も一緒にタケシの家に行った。
本当葬式が行われていた。
亡くなったのはタケシのお兄さんだった。
しかし、タケシの家の前には誰もいない。
鍵もかかっていて、家に入れない。 泣きじゃくるタケシを連れて、
とりあえず俺の家に連れてきた。 「ただいまぁ」
と家のドアを開けるなりオヤジが飛んできた。 キョトンとしている俺を見るなり、
平手打ちが飛んできた。 そのまま、家の中に連れて行かれ散々に怒られた。
どうやら俺とタケシは、
2日間行方不明になっていたらしい。 事情を話しても信じてもらえなかった。
タケシの家で葬式なんて無かったと言われた。 それから1ヶ月は外に遊びに行けなかった。
ようやく謹慎処分が解けた後、
タケシと山に行ったが、 あの道路標識なんて無かった。 PR コメントを投稿する
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