【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】川ちゃん

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】川ちゃん

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小学生の頃、
仲の良かった友達と遊んでいるとき、
同じくらいの女の子と仲良くなった。

秋に入った頃だったと思う。

毎週水曜日か木曜日に、
いつも川の小さな橋のとこで私たち2人を待っててくれててよく遊んだ。

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同じ小学校じゃないからと名前も教えてくれず、
私たちは川にいつもいるから川ちゃんと呼んでた。

川ちゃんは人見知りで私たち以外には会いたがらなくて、
私たち2人としか遊ばなかった。

ある日、川原で三人でカニを探して遊んでたら、
友達のお母さんがチャリで通りがかって、
商店街のとこで二重焼きを買ってきてくれたんだけど、
三人いるのに2つしか買ってくれなかった。

「川ちゃんのは?」

と友達が聞いたら、お母さんは

「川ちゃんって?」

と言って川ちゃんを無視した。

友達は、お母さんが友達をいじめる母親だというのがショックで、
泣きながら川ちゃんにごめんと謝り母親に抗議し、
私も川ちゃんに二重焼きを半分あげた。

友達のお母さんが私たち2人をものすごい勢いで
川原から道路に連れ出して家に連れて帰られた。

(ごめんなさい。書いてたら自分で怖くなりだした)

そんで、あのとき川原には私たち2人しかいなかったと言われ、
また友達と私は泣いた。

お母さんひどいオバチャンひどいって。

で、また次の週の水曜日か木曜日に、
川ちゃんが橋で待ってたからまた遊んだ。

川ちゃんは二重焼きのことは気にしてなかった。

でもとにかく今日は一緒に川で泳いでといった。

秋だったし台風のあとだったし
夕方はちょっと寒いし汚い川だしで、
私たちは嫌がったんだけど川ちゃんは聞かなかった。

仕方ないから服のまま足だけつけたりしてたとき、
魚屋のオジサンが

「台風のあとなのに危ない」

と怒ってやってきたので上がった。

でも川ちゃんはどんどん泳いでて、
たまに振り返っては

「早くこっち」

と怒って叫ぶ。

「川ちゃんもあがってー」

と2人で叫ぶが川ちゃんは無視。

オジサンが

「どの子のことを言ってるの?」

と言ってわかってない様子。

見えないと言う。

他の大人にも探してもらったが、
流れもない緩やかな川なのにいない。

で、昔もこういうことがあったと言われた。

あまり深くは言われなかったから、
私たちは座敷わらしに会えたんだね
と呑気に2人の秘密としてた。

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