【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】弟はかなり見える人だった

忍者ブログ
【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【ほん怖】弟はかなり見える人だった

スポンサーリンク


弟はかなり見える人だった。

後で知ったけど、
見え過ぎて何度も死ぬ目にあったらしい。

で、小学生の頃、弟と一緒にアニメのビデオ見てたら、
弟が突然横を向いて手を振った。

そっちの方向は台所、しかも電子レンジしか見えない。

拍手[5回]

思わず

「なにしてんの?」

と声かけたら、
弟は私のほうを向いてしばらくジッと目を見てきた。

そして私の肩に手を置き、10秒くらいして

「台所見てみて」

と言った。

白い着物着た髪の短い少女が静かに立ってて、
私は悲鳴を上げた。

弟の手が離れると、
すぐにその少女は見えなくなった。

弟は

「○○おばさんだから大丈夫だよ」

と言い、

「見守ってくれてるんだ」

とも続けた。

後で知ったが、父の姉が○○という名前で、
ちょうどそのときの私たちの年頃に交通事故で亡くなったらしい。

ただ父も祖母(祖父はすでに他界していた)も
弟には話したことがないと首を傾げていた。

弟は

「本人から聞いた」

とあっけらかんとしていた。

後にも先にも、
私ががっつり幽霊を見たのはそのときだけだった。

しばらくして、弟が交通事故にあった。

数箇所骨折し、一ヶ月程度の入院を余儀なくされた。

お見舞いに行った際、
両親が医者に話を聞きに行ったとき弟がぽつりと言った。

「○○おばさん、やっと居なくなったね」と。

・・・どうやら、守っているんじゃなくて
私に憑いていたらしい。

弟曰く、最初は本当に見守っていた。

だがブラコンだった叔母は、
仲のいい姉弟を見て姉の私に嫉妬を感じ始める。

そこで段々危ない存在になってきたので、
私の代わりに弟がその呪い?をわざと受けたらしい。

弟が事故にあったとき、
元々は私が行く用事を弟が代わりに行ってくれたのだ。

「俺に憑いてるほうが怖いから大丈夫かなって」

と弟はのんびり言った。

弟がよく見えるのは主にそいつのせいで、
弟自身が用済みになるまでは守ってくれると約束していたらしい。

そこまで話して弟は口をつぐんだ。

「俺は多分、これのせいで早死にするけど、
姉ちゃん守れてよかった」

と小さく呟いた。

小4が何言ってんだ、と思いながらも私は何故か泣いた。

ちなみに去年、弟は23歳の若さで自殺した。

遺書も何も一切なし、
高卒で働いていて数年勤めた勤務先での評判もよかったし、
対人関係も悪くなかった。

PR

コメントを投稿する

HN
タイトル
メールアドレス
URL
コメント