【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】死亡時期

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】死亡時期

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婚約者が決まり、
それまで付き合っていた年上の女が邪魔になった男が、
別れ話を車でしていた時に、

「私との関係を婚約者にばらす」

と言われ、切羽詰って殺害を決意。

混乱する頭の中で、
ともかくなだめながら夜の高速を走り、
どことも分からない場所で高速を降りて暗い山道へ。

拍手[2回]

「外の空気を吸おう」

と言って車外へ女を出すと、
その辺りにあった大きな石で彼女の頭を後ろから殴打した。

計画性のあったものじゃなく、
ますます混乱する男。

車道を少し入った場所で、
女の死体を崖の上のような場所から投げ捨てた。

慌てて車に戻るとアクセルを目いっぱい踏み込んで、
どこでもいいからと大きな道を探して走りまわった。

ようやく見つけた舗装された道。

少し落ち着いて、
タバコに火をつけて車を停めた。

後悔よりも安堵が包む。

それから数週間して、
男は婚約者と彼女の実家へと向かっていた。

結婚式の打ち合わせを兼ねた顔合わせだった。

高速を飛ばして郊外へ。

彼女の実家付近で高速を降りて、
山に沿った道を走っていくと、ん?ここは…

記憶にある道。

なぜ?初めての彼女の実家のはず。

その瞬間、
車の屋根にドスン!という鈍い音。

キキィー!とブレーキの甲高い音。

急停車したせいで伏せた顔を上げると、
そこにはどす黒く汚れた女の顔。

「ギャ~~~~!」

彼女の叫び声が上がった時、
男が見たのは、
口元がニッと上がったその女の顔。

警察に電話を入れてパトカーが来て、
実況見分が始まった。

救急車で運ばれた女は、
山の斜面から落ちてきたらしく、
理由は不明だった。

病院から死亡の連絡を受けた警察の説明では、
女の死因は衰弱と餓死。

分からなかった身元もその時分かった。

あの女。

邪魔になって殺したはずの女。

男は半狂乱でその場で事実を全て話した。

首をかしげる刑事。

「でもね、この女性が死んだのはさっきだよ?」

約3週間ものあいだ、
女は山中で生きていた。

しかも大怪我で多量に出血しながら。

でも、どうやって男の車に落ちたのか、
また、男の車を発見できたのか。

偶然か、執念か。

20数年前の地方紙の記事より。

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