【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】釜トンネル

忍者ブログ
【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【ほん怖】釜トンネル

スポンサーリンク


親父から聞いた話。

親父は若い頃に山をやっており、
冬に上高地に行った。

行程の関係で釜トンネル内で一泊したらしい。

トンネル内にテントを張り、
食事を済ますとみんなさっさと寝てしまった。

どれくらいした頃だろうか、
親父は足音で目を覚ました。

拍手[1回]

ざくざくと表面の凍った雪を踏みしだくような足音だ。

いくら冬でもトンネル内にまで雪は積もっていない。

しかも明かりの全くない泳ぐような闇の中で、
テントの間を縫うように歩いている。

親父は

「これが先輩達から聞いた遭難者の幽霊か」

と思ったそうである。

同じテントの者が目を覚ます気配があったが、
誰も動かない。

そうこうしているうち、
荒い息づかいまで聞こえてきた。

それはいかにも疲労困憊し、寒そうであった。

親父は哀れに思い、
持っていたハクキンカイロ(ベンゼンを使う旧型カイロ)を
そっとテントの外に出した。

効果があったのか、
足音はだんだん小さくなり消えてしまった。

翌朝カイロは置いた場所にあったらしいが、
同じテントの人が足音が小さくなる時

「ありがとう」

と言う声を聞いたとか。

親父には聞こえなかったらしいが。

PR

コメントを投稿する

HN
タイトル
メールアドレス
URL
コメント