【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】T字路

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】T字路

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昼間に一人で車を運転していました。

T字路で赤信号に捕まったので、
時間潰しのために向かいの壁や左右に視線を動かしていました。

その時ふと、バックミラーが目に入りました。

後ろにはワゴンが止まっていて、
運転席には男の人が座っていました。

そこまでは普通だったのですが、
私はワゴンの助手席におかしなものを見ました。

拍手[3回]

おかしなものと言っても、それは人です。

赤い服を着た髪の長い女の人が助手席にいるのですが、
それが妙におかしいんです。

隣りの運転席の男性と比べて、
かなり座高が低いように見えます。

頭の位置が男性の肩くらいの場所にあるんです。

背の低い子供でしたらそういう風に見えても普通なのですが、
その女の人は頭の大きさや肩幅から考えて、
一般的な成人女性と同じくらいの身長と思われます。

ですから座席に座った時は、
男性と同じか少し低いくらいになるのが普通のはずなのですが、
その女の人の頭の位置はどう見てもおかしい低さでした。

しかも目が怖いんです。

眉も目の端も吊り上がり、
車の外にいる何かを睨んでいるように見えます。

バックミラーに映るその女の人の姿にぞっとしました。

車が揺れているのか自分が震えているのか分からなくなった頃に、
信号が青に変わりました。

私は急いでアクセルを踏むと、
そのT字路を左へ曲がりました。

曲がりながら再びバックミラーを見ると、
ワゴンはまっすぐ進んで行きました。

しかし、それは変です。

先程も書きましたが、この道はT字路で、
直進したらそこにあるのは民家の壁です。

「え?」

と思ったときには手遅れでした。

ワゴンは向かいの壁へ恐ろしい勢いで追突しました。

私は急いで車を止め、降りてワゴンへ走りました。

赤信号で止まっている車の運転手さん達も急いで降りてきて、
皆でワゴンに駆け寄りました。

運転席を覗き込んだ私は、
その時あまりの恐怖に声が出ませんでした。

ワゴンの中には、
一人しか乗っていなかったのです。

乗っていたのは、
赤い服を着た髪の長い女の人でした。

ワゴンは左ハンドルだったのです。

そして、助手席となる右側の座席には、
誰も乗っていませんでした。

女の人が実在し、
何も感じなかった男の人こそが幽霊だったのでしょうか。

その時は本当に目の前のことが信じられず、
体がガクガク震えました。

そして最後に、
気付かなければ良かったのにと思うことに気付いてしまいました。

女の人は鏡の中で見た通り赤い服を着ていたのですが、
その服は血の色で赤く染まっていました。

元々は白い服だったのです。

その証拠に服の背中や腹の辺りはまだ白いままです。

きっと壁にぶつかる前はまだ真っ白だったはずなんです。

思い出すと今でも恐ろしいです。

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