【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】黒い背広を着た背の高い男

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】黒い背広を着た背の高い男

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小学校の低学年くらいのときの話なんだけど、
学校帰りに家の近くの歩道を歩いていたら、
向こうからきた人に声をかけられた。

その人は男で、
黒い背広を着てものすごく背が高かった。

子供だから背が高く見えたわけじゃなく、
確実にまわりの人よりも頭一つ大きかった。

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それで、世の中にはこんな人もいるんだなーと印象に残った。

手足が細くて蜘蛛みたいな感じ。

不思議なことに、
どんな顔だったかがまったく記憶に残ってないんだ。

マスクとかをしてたのかもしれない。

その人が

「ボク、家はこの近所かい?」

と聞くんで、

「そうだよ」

と答えると、

「・・・ちょっと頼みがあるんだけど」

当時は今みたいに子供が知らない人と口を利いたりしても
そんなに不審がられなかったから、

「なんですか?」

と答えると、

「あそこの赤っぽい壁の家に入りたいんだけど、入れない。
ほら、玄関の上に神社のお札が貼ってあるだろ。
あれがどうも嫌なんだ。
ボク、とってきてくれないかな」

と言う。

「うーん」

と考えて、

「人の家のだからとれないし、だいいちあそこまで届かない。
おじさんが自分でとればいいんじゃないですか」

と答えると、

「そうだよね。うんうんそう思うよね。
いいよいいよ、なんとかするから」

そう言って、

「ボクありがとうね」

と手を振って向きをかえて歩いていった。

このことはすぐに忘れたんだけど、
次の年の3月にその家の家族が引っ越していった。

亡くなった人とかはいなかったと思う。

ただ、その家の前を通ったときにお札を見たら、
上に手の跡がぺたぺたとついて真っ黒になってた。

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