【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】田舎に疎開していました

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】田舎に疎開していました

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祖母からずっと前に聞いた話です。

当時、戦火を逃れるため、
祖母はまだよちよち歩きの父と一緒に祖父方の田舎に疎開していました。

父を産んでから体調を壊して具合が悪く、
本来なら畑をしなければいけないところを免除され、
近くの家でお針子の仕事をしていました。

冷え込みがきつい地域なのに、
冬のその晩はなぜか暖かく寝つきが悪かった。

拍手[4回]

嫌な夢を見てうなされた後に、
綿入れの着物を着た可愛い女の子の夢を見ました。

その子は夢の中で
「いってはだめ」というようなことをしきりにいいました。

翌朝は寝覚めが悪く、
寝汗をかいたせいか咳が出て風邪っぽい。

そこで家の者に文句を言われるのを覚悟で、
仕事を休ませてくれるよう頼むと、
珍しく優しい言葉も掛けられて、
父と二人で部屋で休んでいました。

ところがその日は、
祖母の仕事場となっていた家は大騒ぎになりました。

その頃コテ(アイロンみたいなもの)は
電気でなくて練炭で火をおこしていました。

お針仕事していた数人が一酸化炭素中毒で倒れ、
一人は重傷で頭に障害が残ってしまいました。

通常縁側でいこらせる(練炭の火を十分におこす)のですが、
それが不十分だったのようでした。

練炭に『あたる』『酔う』などというのは時たまあることなので
(軽い一酸化炭素中毒ですよね)さほど大事件とはされないのが、
その時はさすがに騒ぎになったそうです。

祖母は父の上に女の子を死産していました。

それでその時は「娘が助けてくれたんだ」と思い、
いっそう供養信心しようと思いました。

しかしその事件後、
近所の人に「運が良かったねえ」と言われ、
夢の話をしたところ、
昔に祖父の家の離れ(祖母達の部屋)で、
住み込みの幼い子守の女の子が、
裁縫の稽古で練炭中毒死してたことがわかりました。

まだ祖父が小さい頃(ちょうどその時の父くらいの年齢)の子守さんで
10歳になるかならないか、
貧しい農家の女の子で、
お針を覚えて自分の着物をこしらえたいと稽古してての事故でした。

祖父も後にその話を聞いても、
子守さんのことはまったく記憶になかったそうです。

冬にちんちくりんの綿入れの着物一枚しか持っていなかった女の子、
ということで近所の年配の人は覚えていました。

祖母は

「誰も死んでなかったけど、
ひょっとしたら私は死んでたのかもしれないなあ」

と言っていました。

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