【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】車の好きな高級霊

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】車の好きな高級霊

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マンガで有名な県の、
FCを駆る珍走くんの話。

この珍走くんは霊感があって、
霊感のある走り屋は霧の夜を好んで走るらしい。

マンガ県と避暑地で有名な県の間の峠を、
そんな夏の霧の深夜に攻めていたのだという。

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すると後ろから、排気量の大きいバイクのような、
もっと違うような、聞き慣れない排気音がする。

珍走くんは慣れ+霊感で走っているので、
こういった霧の道で追いつく人間がいるとは考えられない。

しかし後ろから来るスピードはただならないもので、
仕方なくハザードを焚いて、わずかな直線の間にパスさせた。

その後ろを追走して、
珍走くんは吃驚してしまったそうだ。

ベージュのトヨタ2000GT。

それをものすごい角度でドリフトさせているんだそうだ。

珍走くんは旧車も大好きなので、
必死になって追いかけたが、どんどん引き離され、
ついにテールランプも見えなくなった。

世の中すごいオッサンがいるもんだと感心していると、
再び後ろから排気音がする。

今日は走る人が多いなあ、と思った。

んでもって、徐々に車間を詰められ、
ついに珍走くんの後ろに張り付いた。

珍走くんは先ほどのすごいドリフトで自信を喪失させてしまい、
ふたたびあっけなくパスさせた。

ベージュのトヨタ2000GT。

ありえない。

こんな夜中にオーナーズミーティングも考えられない。

そこで珍走くんはわかった。

あれは人間の乗っているものではない、と。

良し、それならと珍走くんは路肩に車を寄せ、
次にまた2000GTが来るのを待った。

案の定それはやってきた。

珍走くんは2000GTに先行する形で走り出した。

しかし必死の走りをあざ笑うかのように、
2000GTは峠の最終コーナー付近で珍走くんをドリフトしながら、
三度、あっさりパスしたのだという。

この峠はご存じのように最後は避暑地に続くのだが、
町にはいるまでは長い緩やかな直線の下り坂になっている。

巨大な岩陰を2000GTに続いて曲がったときには、
すでに車はテールランプの明かりどころか影も形もなかったそうだ。

珍走くんが言うには、
全然嫌な感じがしなかったどころか、
2000GTの先行するラインをなぞると、
ものすごく速く走れるのだという。

だからあれは、
車の好きな高級霊だったのではないかと。

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