【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】琵琶湖にいった

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】琵琶湖にいった

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インフレータブルボート(※ゴムボート)+2馬力で琵琶湖にいったんだわ。

それで夕暮れになって天候が怪しくなってきた。

夕立が来そうな気配・・・
と思ってたら先に雷が鳴り出した。

やっべなぁ...と思ってた矢先、
わりと近所にいきなり落ちた!

クモの子散らしたように湖面のボートが
一斉に引き上げていく。

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俺らも引き上げようと思ったが、
近くでウェーダー(※腰や胸まである長靴)の男が立ち往生しているのが見えた。

ふとももの上まで漬かっていて
全く身動きできないように見えた。

そこで俺らはエレキ(※エレキモーター)回して救出に向かうことに。

「おーい、どーしたー、動けないのかー?」

男は無言だ。

すると突然エレキが止まった。

「おい、どないしてん?」

「いや、なんか変だ。魚探の数値見てみろよ」

「!?」

水深3.6m・・・・・

「おい、いつでも逃げれるよう船外機回しとけ・・・」

「お、おう・・・」

再びゆっくりとエレキで接近する。

よく見ればウェーダーじゃない。

何か作業服みたいな服に作業帽をかぶっている。

分厚い黒縁の眼鏡、それにおかしな顔色。

最初落雷の衝撃かなんかで
死体でも浮き上がってきたのかと思ったがそうではなかった。

なぜならその男が身動き一つしていないのに、
こちらに吸い寄せられるように接近してきたからだ。

「逃げるぞ!」

「おう!」

しかし今までアイドリングしていた船外機は突然停止した。

スターターを引いても全くかからない。

「だめだ、エレキ、エレキで行ってくれ!」

「な、なんだこりゃ・・・」

エレキのフット部(※フットコントロール式:足で操作する部分)から煙が...

「だめだ、オール、オールだ!」

慌ててオールで漕いで離脱。

その間「ブーン・・」と妙に電気的な音が。

ある程度進んだところで船外機のスターターを引いた。

今度はすぐかかった。

全力で離脱を決め、そのまま出発地点へ。

「なあ、さっきのってヤバイやつやんなぁ?」

「おお、マジヤバイわ。ホンマモンに遭遇したんは初めてやで」

そして出発点付近まで来た時、豪雨が降ってきた。

「うわ、これスゴイな!」

「まあ腹くくって上陸・・・お、おいあれ!」

さっきの作業服の男がボート出したところにいる!

なんか水際でアグラかいてこちらを・・・いや、違う。

水の上に座ってる!?

「だめだ、ここもダメだー!」

また反転離脱!

しかしこの豪雨、避難する場所はもう橋の下しかない。

全力で橋に向かって移動。

そこには雨と雷から逃れるために数隻のボートが集まっている。

やれやれと腰が抜ける。

「おいあんたら・・・」

他のボートの人が話しかける。

「はい?」

「あれはあんたらのツレか?」

指先の方向を見ると豪雨の中、
水の上にあの男が・・・

下半身から下が水の中のようにも見えるが、
このあたりは水深1.5m以上はある。

「いや、違うツレなんかじゃない!
ていうかあんたにも見えるのか!?」

俺らの狼狽ぶりを見てそれがヤバイものだとわかったらしい。

何事かと他のボートも寄ってきた。

デジカメや携帯で写真を撮るヤツもいた。

オレらはビデオカメラを回した。

夕立はすぐ止み、
それととも男も煙のようにすぅっと消えていった。

集まっていたボートも散っていった。

出発点付近にも人が行き交うのを見て、
俺らは撤収することにした。

あれ以来作業服の男とは遭遇したことはないが、
あれはいったいなんだったんだろう...

ビデオカメラにはなぜか黒っぽい霧(影?)しか映っていなかった。

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