【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】異彩を放つプレイヤー

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】異彩を放つプレイヤー

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友達の体験談で恐縮だが…

友はあるネトゲのギルドに属していたんだが、
なかなか人気があり、
そこそこの地位を得ていたらしい。

そんな友はネトゲ内での友達も多かったのだが、
一際異彩を放つプレイヤーがいた(Aさんとしておく)。

Aさんは対人戦が極めて得意で、
ただの熟練者という言葉で片付けられるものじゃなかったそうだ。

拍手[2回]

それ以外にも奇妙な発言をしたり急にログアウトしたり、
ちょっと電波な人なのかなーなんて思ってた。

ただそういう事を除けば普通に話せる人だったので、
そんなに気にしていなかったらしい。

ある日、
ギルドのメンバー達でチャットしていた時のこと、

Aさんがログインしてすぐ、

『Bさんおめでとう!』

と発言した。

当然メンバーは何の事か分からず、
Bさんも

『何が?;』

と返したのだが、
Aさんは

『ごめん、何でもないw
それよりアレなんだけどさ~』

と自分で流してしまったそうだ。

その日Aさんがログアウトしてすぐ、
Bさんから個別チャットがきた。

B『友さん、ちょっと相談したいことがあるんだけど…』

友『どうしたの?』

B『今日、Aさんが俺に「おめでとう」って言ったの覚えてる?』

友『あれでしょ、ログインしてすぐのやつ』

B『うん。…実はさ、俺、今日昇進を確約されたのね』

友『すごいじゃん、おめでとう!
なるほど、だからAさんもお祝いしたんだ』

B『でもこの事は、まだ誰にも話してないんだ。
Aさんも知ってる訳が無いんだよ。
どういうことなんだろう…』

仮にAさんがBさんの身近な人間だとしても、
誰にも言ってない以上分かるはずもなく、
また、Bさんに昇進を伝えた上司も、
ネトゲをやるタイプではないという。

Bさんは、
ひょっとしてストーカーかも…と怯えていたが、
大した証拠も無しに迂闊なことは言えない。

ただの偶然じゃないかな?となだめておいたが、
友にも心当たりがあったそうだ。

それは以前右手を骨折した時で、
やはりAさんがログインしてすぐに

『利き手が使えないと不便だよねwwいろいろとww』

と言われたらしい。

それで理解した他メンバーが、

『あんまり動かないのはそのせいかw』
『彼女に●いてもらえ!』

と発言し、
盛り上がった雰囲気の中でうやむやになってしまったが、
友はぞくりとしたものを感じた。

Aさんは電波な人ではなく、
本当にそういう人じゃないか――

実害は無いが気味が悪い。

あれからBさんもログインしている時間が減り、
Aさんがログインすると

『すみません、ちょっと電話が…』

なんて逃げるようになってしまった。

ギルドの雰囲気が微妙に変化していると感じた友は何とかしようと、
ギルドマスターに事情を説明して、
Aさんと個別に話し合うことにした。

友『ぶっちゃけて聞きますけど、
Aさん、超能力者なんですか?』

A『たぶんそういう括りに入っちゃうんだろうね。
超能力?は自由に使えないけど』

友『自由じゃないんですか?』

A『うん、時々勝手に使っちゃうんだよなあ。
仲良くなったっていうか…気の合う人のことが、なんとなーく分かるんだ。
なんて言ったら良いのかな…』

Aさん曰く、
現実では相手の視界や思っていることが、
ネトゲでは相手のキャラが変化して見えるという。

友の時はキャラの右手が黒く潰れており、
Bさんの時はキャラが新しいスーツを着てきたらしい。

友が『便利だね』と言うと、

『便利だけどね、
やっぱり分からないものは分からない方がいいんだよ。
特に僕みたいに不器用だと、周りとの関係がこじれる』

と言われた。

ちなみに対人戦でも、
なんとなく相手の攻撃が読めたという。

それから少しして、
Aさんはネトゲの引退を宣言した。

「Aさんに悪気は無いのは分かっていたが、
それでもホッとしてしまった自分がイヤだった」

と友は言ったが、
ギルドの雰囲気は以前のように戻りつつあった。

そして最終日、
皆と挨拶を交わすAさんから個別チャットがきた。

Aさんの奇妙な発言をフォローし続けてくれたことへの礼と、
結局Bさんにも打ち明けたと話し出した。

それまでBさんには誤魔化していたのだが、
本当の事を言うと、
逆にAさんのことを心配してくれたという。

もっと早く言っておけば良かったな、
とAさんは言い、
最後に

『友さんの部屋に机あるでしょ。
右の上から二段目の引き出しをよく探してごらん』

の発言を最後に、
ネトゲからいなくなった。

さっそく二段目の引き出しを漁ると、
提出日が迫っていた、
無くしたはずのレポートが発見された。

あとで知ったことだが、
Bさんは最後にAさんとメアドを交換していた。

今では一緒に飲みに行く仲だという。

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