【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】友人と夜釣りに出かけた

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】友人と夜釣りに出かけた

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同僚の旦那がまだ中学生の頃。

釣りが趣味だった彼は、
幼なじみの友人とよく夜釣りに出かけていた。

彼らが見付けた穴場は、
山の中腹近くを沿っている道をぐるりと回って出た所にあった。

その夜も彼は、
日付が変わってから友人と家を出た。

拍手[1回]

早く釣りに行きたい一心で、
二人とも一生懸命自転車を漕いでいた。

住宅街では大声で話も出来なかったが、
山道に入ると話す声も次第と大きくなっていく。

山道なので明かりも疎らな街灯しかない。

それも普段通い慣れた道。

もう暫くするとトンネルがあって、
そこを抜けるとすぐに釣り場が見えてくる。

そのトンネルを入って出口にさしかかった頃、
進行方向に人影が見えた。

白装束のお遍路さんだ。

地元はお遍路のコースに入っている。

お遍路を見る事は珍しくもない。

だが彼は、何かがおかしいと思った。

トンネルを越えた山道の中、街灯もない場所だ。

どうしてあのお遍路の姿は、
白く浮き出る様にはっきり見えるんだろう。

光ってるんだ、あのお遍路。

そう気が付くと途端に冷や汗が吹き出した。

友達もそれに気付いたらしく、
二人は顔を見合わせた。

道は狭い山道。

このまま進むか、
それともターンして引き返すか。

二人はこのまま進む事に決めた。

二人同時に頷き、
ペダルを漕ぐ足に力を込める。

だんだん近付いてくるお遍路の脇を、
二人同時に猛スピードで通り抜けた。

やった、と思った瞬間、
ペダルの感覚が無くなった。

チェーンが外れたのだ。

「まってくれ!!チェーンはずれてしもた!!」

彼が大声で友達を呼ぶと、
その友達も叫び返してきた。

「お、俺のチャリもや!!」

二人とも必死でチェーンを直して目的地へと向かったが、
その間一度も後を振り向かなかった。

振り向くとすぐ後に立っている様な気がしたから。

その後、彼は夜釣りを止めたのかというとそんな事はなかったらしい。

同じルートを今でも使うが、
不思議な目にあったのはその一度きりだという。

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