【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】遭難者の亡霊

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】遭難者の亡霊

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遭難者の救助や捜索に当たった後、
亡霊に悩まされる者が居る。

亡霊ではなく、幻覚かも知れない。

せっかく発見したのに、
すでに死亡していた男性。

メモを見ると、
昨夜までは確かに生きていた。

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メモの最後の一行には、
自分を発見しない捜索隊への恨みがつづられていた。

この一行を書くとき、すでに彼の思考は乱れ、
一種の混乱状態に陥っていたに違いない。

捜索隊員の一人はそう考えることで、
自分への慰めとした。

発見時、自殺していた男性。

同行していた女性は数日前すでに死亡しており、
男性は自責の念からタオルで首を吊ったのだと断定されたが、
彼の顔は傷だらけで、女性の遺体の爪には、
その男性の皮膚が食い込んでいた。

雪崩に巻き込まれ、
押し潰された体から内臓が露出していた女性。

「冷凍状態だった内臓の鮮やかな色は、
決して忘れられないだろう」

と言って大きくため息をついたのは、
本職の救助隊員ではなく、
捜索に駆り出された地元青年団の一人だった。

最終的に、自殺や人格的破滅に追い込まれた捜索隊員も居る。

彼らの多くは、遭難者の霊に、夢や現実の世界で追い回され、
恨み言を並べられ、恨みがましい視線を浴びた経験を持つ。

逆恨みといって良いが、
相手の感情ばかりはどうにもならない。

遭難者の家族から罵倒されたりする事もある。

「息子を発見できないなら、死んでも帰ってくるな」

と言い放つ親。

崩れそうになる弱い自分を支えようと、
とんでもない人格が表面に現れ、感情が爆発する。

「逆恨みの遭難者の亡霊に悩んでいる」

元・捜索隊員は言った。

亡霊より、キレた家族のほうがよっぽど怖いぞ。

無論、そうした家族は、
ごく少数だという注釈つきだ。

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