【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】仁義

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】仁義

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実感した話。

もう何年も、原付バイクにテントなどを積み込んで、
暇を見つけてはツーリング野営をしている。

ギアもないスクーターというのが苦手で、
ここ数台はスーパーカブを愛用している。

ただ、景気が悪くなって、
常識のないホームレスが増えたせいか、
町並みに近いところでのテントは難しい。

その点、山は気楽だ。

拍手[1回]

観光林道の茶店や展望台(たいていは見晴らしのいいカーブ)など、
土日の林道バカ共のバカ騒ぎさえ避ければ別天地だ。

最近はさらに、
そういうところから一息山道を登ったあたりに幕営する。

夜中に物音で目が覚めることがある。

よく聞くと、テントをゆるりと巡っている、
何者かの足音がするのだ。

それは決まって『仁義』を切り忘れたときに起こる。

小学生の頃の夏休みには、
祖父母の家に一人でずっと逗留していたが、
祖父と野山を駆け回りながら、
そのへんで立小便したくなったとき、

「御免なさいまし、と言うんだよ」

と祖父が教えてくれた。

テントを張るにも、
この「御免なさいまし」の仁義を切り忘れると、
決まって夜中にテントを巡る足音を聞く。

はじめのころは朝まで震えていたが、
いまでは

「気が利きませんで」

と一人ごちて、
その後は寝られるようになった。


「御免なさいまし」

人の付き合いでも、
人と山との付き合いでも、
求められる礼節なのかもしれませんな。

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