【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】和装の女性

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】和装の女性

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杣人のKさんから聞いた話

山での仕事を終え、
仲間と道端で一服していると、
上方の斜面を知人のEさんが下っているのが見えた。

奇妙なことに、
和装の女性がぴったりと後ろに寄り添っている。

Eさんは、ヒョコヒョコと妙な歩き方で、
杣道も通らずに斜面を真っすぐ突っ切ってくると、
急勾配の法面を転がり落ち、
最後は道路にどさりと横たわった。

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女性のほうはというと、
木立が途切れたあたりで立ち止まり、
Kさんと仲間がEさんの方へ駆け寄るのを見届けると、
ヒラリヒラリと山の奥へ斜面を登って消えた。

「おい!大丈夫か!」

Kさんが声を掛けたが、
Eさんは気を失っており返事もしない。

とりあえず車に乗せ、
そのまま病院へ担ぎ込んだ。

診断の結果、
Eさんは足を骨折していたことが分かった。

玉切りしている最中に転がった大木に足を挟まれてしまい、
激痛で動くこともできず、
その場で気を失ってしまったらしい。

その後の記憶は全くない、ということなので、
Eさんは意識が無いまま、
斜面を数百m下ってきたことになる。

また、診断した医者によると、
Eさんの足は
「平地ですら歩くのは困難」な状態だったらしい。

「山の神さんが俺を助けてくれたんだろうな…」

Eさんは、病院のベッドで不自由な足をさすりつつ、
山の方向に向かって無言で頭を下げた。

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