【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】山道でエンスト

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】山道でエンスト

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1年前の冬。

友達二人と山道をドライブをしていると、
途中でエンストしてしまう。

携帯の電波が届かないような場所だったので、
どうしようかと半パニックになる。

とりあえず、
すれ違う車を発見したら助けを求める、
という結論で一致した。

拍手[3回]

暫らくすると、
ロングコートを着たスーツ姿の男が歩いてくるのが目に入った。

明らかにおかしい。

ここまで2時間は走ってきたが、
あんなヤツは一度も見なかった。

そもそも、こんな山道を歩いている時点で異常である。

私達は車に乗り込んでやり過ごすことにした。

コンコンと窓を叩かれ、
そちらを見ると男が立っている。

パワーウィンドウが動かず、
かといってドアを開けるのも怖いのでガラスごしに話した。

男は一見して高校生のような顔をしているが、
その雰囲気は老成していた。

声は低い美声で、
正直なところ年齢不詳だった。

男「どうしました?」

友人「…車がエンストしたんです」

男はいきなりボンネットを開け、
暫らくそこを眺めている。

そして、唐突にエンジンが掛かった。

男「もう大丈夫ですよ」

修理してくれたのかと思ったが、
男の指には油ひとつ付いていなかった。

友人が

「良かったら乗って行きますか?」

と聞いた。

男「私はここに仕事があるので」

そう言って来た道を引き返して行った。

背筋がピンと伸びた軍人のような歩調だった。

あの人は山の神様に仕える人だったのかもしれない。

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