【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】音声キーボード

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】音声キーボード

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まだ娘が幼稚園に通っていた頃、
妻が50音の音声キーボードを買い与えました。

電源のオンオフで挨拶もする優れ物で、娘も大層喜び、
仕事疲れの私の前にわざわざ持ってきて遊び出すほどでした。

しかし、やがては飽きるもの。

数ヶ月もすれば、
娘にとっては無用の長物になってしまいました。

拍手[2回]

それは私が押し入れへ収納しましたが、
あくる日、妻より相談を受けました。

「あれ壊れてるみたい。電源も入れてないのに、
たまに『バイバイ』『バイバイ』って聞こえるのよ」

押し込んだ際に故障したのか、電源OFFで聞ける

『バイバイ』

が不規則に発信されてしまうように。

娘もすっかり怖がっている様子で、
押し入れには近寄っていないようです。

そして休日、家族揃って晩餐を楽しんでいた時、
私の耳にもはっきりと

『バイバイ』

と聞こえてきました。

不意打ちだったようで娘はとうとう泣き出す始末。

妻に叱られ、私は工具を引っ張り出しました。

押し入れより音声ボードを取り出すと、
スピーカー部分をハンマーで叩き壊し、
機能という機能を破壊しました。

その後、燃えないゴミとして袋に詰め、
私の部屋隅に一時隔離。

数日後、ゴミ収集日に捨てました。

バラバラにして

「もう安心だよ」

と娘を慰め、父親としての面目を保ちましたが、
私がバラバラにしたのは理由があります。

最初、ドライバーでカバーを外して電池を抜いたのですが、

『バイバイ』

と確かに聞こえてきたのですよ。

今にして思えば幻聴としか思えませんが、
娘が成人した今でも話すことはできません。

私が恐怖にかられて玩具を破壊したなど。

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