【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】さゆりちゃん

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】さゆりちゃん

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4,5歳の頃、家のすぐ近所で知らないおばあさんに、

「さゆりちゃん!大きくなったねぇ」

と話しかけられた。

私の名前はさゆりじゃないので

「ちがうよ」

と言い返し、おばあちゃんから離れた。

拍手[1回]

そして中学校に上がるまで、
忘れた頃に知らないおばあちゃんに

「さゆりちゃん」

と話しかけられることが続いた。

社会人になり、地元(東北の田舎)から離れ、
東京での生活に慣れ始めた頃、
住んでるアパートのそばで、知らないおばあちゃんに

「さゆりちゃん!大きくなったねぇ!」

と手を取り握られた。

幼い頃からの記憶が残ってたためゾッとして、

「すみません、人違いですよ」

と言ったが、

「さゆりちゃんでしょう。だってあなた、さゆりちゃんよ?」

と優しい笑顔で言われた。

「人違いです!」

と言ってその場を離れた。

優しそうなおばあちゃんだったため、
逃げるように去ったことに罪悪感はあったが、
ひどく嫌な気持ちだった。

その2年後、東京を離れ地元に戻った。

実家で暮らし、仕事から帰ってきて寛いでいたら、
知らない市外局番の電話番号から携帯電話に着信があった。

間違い電話だろうと思い、何の気なしに出たら、

『さゆりちゃん!おばあちゃんよ~。
今度、遊びにいらっしゃいよ。さゆりちゃんね、その時、お母さんに…』

私は心底ゾッとして、

「間違い電話ですよ!!」

と言って電話を切った。

それ以来もうここ数年、
さゆりちゃんと間違われることはないけど、
私は今も誰かのさゆりちゃんなんだろうか。

それとも、話しかけてきたのは全部違うおばあちゃんだったので、
みんな亡くなったりしてしまったんだろうか。

私の、ほんのり怖くて、心底ゾッとする経験です。

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