【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】子供に見えているもの

忍者ブログ
【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【ほん怖】子供に見えているもの

スポンサーリンク


旦那の祖父が危篤の時の話。

連絡を受けて私、旦那、2歳の息子とで病院に向かった。
もう親戚の人も来ていて、
明日の朝までがヤマらしい。

息子はまだ小さいので病室にずっといるわけにもいかず、
もう夜で他の患者もいないし、1階のロビーで待機していた。

普段8時には寝る息子も普段と違う雰囲気が嬉しいのか、
9時を過ぎても眠そうな気配がない。

楽しそうにしていた。

9時をまわって、そろそろ夜も遅いし、
当番で義祖父に付き添うことにして、
今日はそろそろ帰ろうという話になってきた。

が、息子が突然

「じいちゃん!じいちゃん!」

と叫びだした。

病室にいる旦那の父のことかな?と思ったので、

「じいちゃんは上で用があるから待ってようか」

と言っても、
エレベーターまで行って

「じいちゃん!じいちゃん!」

と叫ぶ。

拍手[2回]

旦那が

「連れて行こうか」

と言うので、
じいちゃんのいる病室へみんなで行った。

ところが、旦那の父ではなく危篤の義祖父を指差し、

「じいちゃん!じいちゃん!」

と言うので、
ああこっちのじいちゃんのことかと納得した。

「じいちゃんね、今ねんねしてるの。
今日はもう遅いし、バイバイして帰ろうか」

と私が言い、
息子が

「じいちゃんバイバイ」

と言ったその瞬間、
義祖父の呼吸がおかしくなり亡くなってしまった。

みんなが

「じいちゃんは最後に○○(息子)に会いたくて呼んだんだねえ」

とみんな口を揃えて言った。

その後、義祖父を家に連れて帰るためそのままみんな待っていだが、
私と息子だけ先に車に戻っていた。

私は亡くなったことを実家の母に電話した。

ついでに息子も電話口に出させ、

「ばあちゃん会いたい」

「ばあちゃん好き」

などと話していた。

その時、急に

「じいちゃん!」

と叫びだした。
(父は亡くなっていない)

「じいちゃんじゃなくてばあちゃんでしょ」

と私が言っても、

「じいちゃんじいちゃん」

と嬉しそうな様子で話す。

電話を切っても

「じいちゃんじいちゃん」

と繰り返す。

「じいちゃんどこにいるの?」

「あっち」

と病院を指差す。

「お母さんはじいちゃんがどこにいるかわからないから、
○○君連れて行って」

そして車を降りると一目散に病院へ。

エレベーターの前で

「じいちゃん下!じいちゃん下!」

私はまだ病室にいると思っていたのだけど、
とりあえず地下のボタンを押し下に行く。

地下は一般に使われてないようで、
目の前が壁で道が左右に別れ看板もない所だった。

「じいちゃんあっち!じいちゃんあっち!」

と、息子が指差す方に行く。

何度も角を曲がってたどり着いた突き当たりに、
親戚の人が集まっていた。

「あれー?みんなこんな所でなにしてるの?」

と言ったのと、
状況を理解したのが同時だった。

みんなで義祖父を送り出すところだった。

「△△(私)なんでこんなとこにいるの?」

と言う旦那に事の顛末を話した。

一緒に見送りに来ていた医者と看護婦が、
恐ろしいものを見るような目で息子を見た。

が、親戚の人は

「おじいさんはほんとに○○が好きで、
見送ってほしかったんだねえ」

とほのぼのしていた。

その後、家に着いてから、
義祖父の亡骸を見て息子が

「じいちゃん」

と言う事は一度もなかった。

「じいちゃんどこ?」

と聞いてもしらっとして、
分からない顔をしたり義父を指したり。

子供ってのは人間の身体を見てるんじゃなくて、
その中の魂を見ているんじゃないか。

そして、その魂は死んでわりとすぐ身体から離れてしまうんじゃないか。

私が死んでその死体を見ても、息子は

「ママ」

とは言ってくれないだろうなど、
色々考える一日でした。

PR

コメントを投稿する

HN
タイトル
メールアドレス
URL
コメント