【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】バスに乗れない人

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】バスに乗れない人

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高校三年間、通学に使ったバス。

いつも通るコース上のバス停には、
絶対に“バスに乗れない人”が居た。

その人は夏も冬も、
いつも青いジャージを上に着ていて待っていた。

運転手はそのバス停に止まらないし、止まっても、
その人が乗り込む前に扉を閉めて発進してしまう。

それを見かねて、
ある日、例のバス停に差し掛かった時、

「お客さん居ますよ」

と言ったら、

「居ませんよ」

と答えが返ってきた。

拍手[2回]

周りからの視線やひそひそ話で、
バス内の空気は最悪。

自分の頭が沸いたと思って、
凹んだまま終点の一番最後に降りようとしたら、

「あれは乗せちゃいけないんだよ」

深い意味もわからなかったので、

「そうなんですか」

としか答えていなかったけど、
それから暫くたって、
新人運転手がバスを運転し始めた頃から、
なんとなく理由がわかってきた。

そいつが乗り込むと、
バス内の機械がおかしくなるらしい。

整理券を出す機械が止まって整理券が出なくなったり、
差し込んだカードが戻ってこなくなったり。

料金を表示する電光掲示板のような表が突然消えたり、
両替やお金を入れる機械が止まったり、
上手く作動しなくなったり。

異常が起きたバスは、
必ずあのバス停で止まって扉を開けていた。

バスに近付くと青ジャージは見えなくなるけど、
誰かが乗ってきた気配と、
バスの中に一歩入った時の足音は聞こえたし、

何より空気が変わった。

バスに乗る度に思い出して、
ほんのり懐かしく、怖くなる思い出。

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