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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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戊辰戦争の折、
父親の実家近辺は『奥羽越列藩同盟』に端を発する『秋田戦争』に於いて、 秋田久保田藩士と岩手南部藩士が激戦を繰り広げた場所でした。
それ故か、父親は何度か彼等の幽霊に出会ったそうです。
話は戦前になります。
当時、田舎に住む子供達はどこも同じだったと思いますが、
自ら山へ入って、主に小型の獣を獲ってその皮を剥いでなめしたり、
仕掛け針で鰻や鯰を獲って小遣い稼ぎをしていました。 親父もそんな例に漏れず、
よく山へ獲物を獲りに出かけたそうです。 さて、そんなある日の事。やはり親父は、
仕掛けた罠に何か掛かってないかと山へ入ったそうです。 いつもの通い慣れた道を通って山の奥へ…が、
その日は何かが違ってたと言います。 妙に体が軽い。 気持ちも晴れ晴れとしている。 理由は分からないけど、
これから良い事がありそうな予感でした。 そんな感じでテクテクと歩いてると、
樹木の陰に何やらチラチラと見えるものがあります。 よく見ると、誰かが座って休んでいるようです。
親父は黙って脇を通過しようとしました…と、
思わず足を止めてしまいました。 どう見ても、その人物は自分達とは違う格好をしていました。
以前、行列で家の中を歩いてた…、
そうだ、あの戦士達と同じ姿じゃないか。 その兵士が今、
目の前で道端にうずくまるようにしている。 その時、不意に兵士が顔を上げ、
親父の顔をじっと見つめました。 年の頃は15、6歳でしょうか。
とはいえ、意志の強そうな顔をしており、 実に立派な戦士に見えたそうです。 と、彼はおもむろに立ち上がると、
突然風のような速さで山を下り始めたそうです。 それを見た親父は思わず、
「そっちは○○(親父が住んでいた村)に行く道だよ!」 と呼びかけました。 すると彼は一瞬親父を振り返り、
そのまま走り去ったとの事です。 その姿は、まるでこれから戦場へ臨むような、
そんな印象だったと。 私はこの話を聞いた時、
「で、その人は敵(南部藩)だったの?味方(久保田藩)だったの?」
と質問しましたが、 「どっちにしたって日本の為と思ってたんだ。敵も味方も無いだろう」
と諌められました。 PR コメントを投稿する
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