【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】祖母の遺産

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】祖母の遺産

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20年くらい前の話。

田舎で祖母が死亡した時のこと。

母方の実家は地元では名士で、
医者でも教師でもないのに
「先生」とまわりから祖父は言われていた。

拍手[5回]

そういう人なので、
あちこちに愛人をつくったり結婚離婚を繰返したり、
祖母はそんな祖父に一生振り回された人だった。

そして、その祖母が死んだ時、
腹違いの兄弟たちが、
祖母の些細な遺産を譲るもんかと、
祖母の長女であるうちの母に、
葬式の席で

「遺産は何も無い」
「手ぶらでこのまま帰れ」

と言い張った。

もともと、祖母の遺産はもらうつもりはなかった母だけど、
何か形見になるものが欲しいとお願いしたが、
糸くず1本渡さんと言われて渋々家に帰ってきた。

そして晩御飯の時に事の顛末を話していると、
突然末の妹(当時2才)が「あっ」と声をあげて、
自分のおもちゃ箱に向かった。

そして新聞紙に包まれた小さな物を出して、

「ばーちゃんが、これどうぞ~って言ってた」

と、母に手渡した。

何のこっちゃ?と皆頭にハテナマークが飛び交う中、
母が新聞紙を開くと、
そこには、祖母が裁縫の時に使っていた
糸切りバサミが入っていた。

使いやすいようにと持ち手に糸を縛りつけていたので、
一目で母は祖母のものだとわかったらしい。

妹に詳しく聞こうとしても、

「ばーちゃんがきた」
「どうぞって言ってた」
「ぴゅーんって消えた」

と要領を得ない話しかできず、
結局、何が起こったのか未だに不明。

祖母は裁縫が得意で、
自分の着物も洋服も自分で縫っていたし、
その血を継いだのか母も和裁洋裁が得意で、
近所で教えるくらいの人だった。

もともと、遺産はいらないので
祖母の裁縫道具を譲ってもらおうと思っていた母には、
思いがけないプレゼントになった。

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