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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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お盆前のこと。
終電で帰った日、
ホームから改札に向かう階段の踊り場で、 おばあさんが荷物を2つ持って立ってた。 ホームの一番端からノンビリ歩きながらその様子を見てたんだけど、 すれ違う人はさっさと階段上がっていってしまって誰も手を貸さない。
私が階段を登り始めた頃には、 おばあさんの他には誰もいなかった。 おばあさんは小柄で、
見るからに力がなさそう。 荷物は、キャスター付きの大きな旅行鞄と、 お土産が入ってるっぽい紙袋。 特に鞄は見るからに重そうだし、 こりゃご老体には難儀だろうと踊り場で声をかけてみた。 「こんばんは。 荷物重そうですね、大丈夫ですか? 良ければ上まで運びますよ」 こちらを振り返ったおばあさんは、 微笑んでるんだけどちょっと困り顔。 「あらあら、ありがとう。 でもこれは私が持っていかないといけないものなのよ」 大丈夫大丈夫と言って、 荷物を持って階段を上り始めたんだけど、 腕プルプルしてるし、足元フラフラ。 どう見たって大丈夫じゃない、 こりゃ無理だろ。 私は鞄の端に触れながら、 「無理して転んで怪我でもしたら大変ですよ。 こちらだけでも階段の上までお手伝いさせてください」 と、笑顔で言ってみた。 さっきは断られたけど、 おばあさんは困ったような笑顔で 「じゃあお願いね」 と言った。 鞄を受け取って、 持ち上げてみたら予想以上に重い。 鞄いっぱいにお米とかお砂糖とか入れてるのかなと思うレベル。 こちらも少々プルプルしながら、 階段上まで運びあげた。 鞄を下に下ろした時、 後ろから声をかけられた。 「ありがとう、とっても軽くなったわ」 それは良かったです、 と振り返ってみるとおばあさんはどこにもいない。 驚いて視線を手元に戻すと、 さっきまで持っていた鞄がない。 重いモノを持った感触だけは残ってて、 なんとも言えない気分になってきた。 さすがに気味が悪くなって、 逃げるように家まで走って帰った。 その後、特に何も起こってないんだが、 あのおばあさんはお盆でコッチに帰ってきた人だったのかな。 PR コメントを投稿する
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