×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
| |
スポンサーリンク
厳密な山の話じゃないけど、
自分はだだっ広い平野の田舎生まれで、 山は遠くに青く見えるだけ。 そんな土地で『やま』というのは、
普通の日本語で『森』のことだ。(『もり』は『林』) 九州の山国から嫁いできた母は、 最初「やま抜けて行く」と言われて、 きょとんとしたそうだ。 そんな『やま』も今は切り開かれて少なくなったんだが、
まだ残ってるとこもある。 市内の中学校の周りがそう。
その中学に学校交流とか練習試合で行く時は、
「やまに気をつけろ」 って言われる。 『やま』に入って、
中学校にたどり着けないことがよくあるからだ。 『やま』に入る前はちゃんと中学校が見えてるし、
方向を確認して入るんだが、 『やま』に入った途端、
中学校が見えなくなって方向も間違って迷子になる。 中学校が見えてるのに、
どうやってもたどり着けない、 ってこともあるそうだ。 中学校の門までちゃんと道がつけてあるのに、迷子が出る。
鬱蒼としてるわけでもない、普通の雑木林なのに。
毎年4、5月に、
一年生と新しく赴任した教師が迷子になっても、 騒がれなかったらしい。 自分も練習試合に行くと間違いなく迷子になったけど、
なんで迷うのか納得行かなくてムカついたなぁ。 一度、
向こうの部員が見たいっつったじいちゃんの居合い刀(使用済み)を持ってった時は、 迷わなかったけど。 今は県道が通って跡形もないけど、
自分の行った高校の裏門辺りにも『やま』があった。 親が同じ高校出身なんだけど、
うちから高校まで歩いて15分もないのに、 『やま』を抜けたら異常に時間がたってて遅刻、
ってことがよくあったらしい。 親だけじゃなくて、 裏門使ってる生徒が大抵経験してるから、 学校が『やま』の入り口と途中に時計つけてたって(笑) でも裏門で待ってる教師は、 絶対『やま』に入って遅刻生徒を急かさなかったんだってさ。 門に立って 「遅刻するなよー」 「早くしろよー」 って。 教師も迷子になるのが怖かったんじゃね。 そういうおかしな事をする森を『やま』って言ってたのかなーと思う。 怖い話にあるみたいに、 山って人を惑わしたりするから。 今は跡形もない高校裏門の『やま』だけど、 アスファルトで舗装されたきれいな道の真ん中に、 今でも蛇イチゴが生える。 『やま』の一部を使って作ったサッカー場の時計は、 気がつくと狂ってたりする。 あの土地は、まだ自分を『やま』だって思ってんだろうな。 PR コメントを投稿する
<<【ほん怖】神隠し | ブログトップ | 【ほん怖】ばあちゃんと裏山に入った>> |