【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】やま

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】やま

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厳密な山の話じゃないけど、
自分はだだっ広い平野の田舎生まれで、
山は遠くに青く見えるだけ。

そんな土地で『やま』というのは、
普通の日本語で『森』のことだ。(『もり』は『林』)

九州の山国から嫁いできた母は、
最初「やま抜けて行く」と言われて、
きょとんとしたそうだ。

拍手[3回]

そんな『やま』も今は切り開かれて少なくなったんだが、
まだ残ってるとこもある。

市内の中学校の周りがそう。

その中学に学校交流とか練習試合で行く時は、

「やまに気をつけろ」

って言われる。

『やま』に入って、
中学校にたどり着けないことがよくあるからだ。

『やま』に入る前はちゃんと中学校が見えてるし、
方向を確認して入るんだが、
『やま』に入った途端、
中学校が見えなくなって方向も間違って迷子になる。

中学校が見えてるのに、
どうやってもたどり着けない、
ってこともあるそうだ。

中学校の門までちゃんと道がつけてあるのに、迷子が出る。

鬱蒼としてるわけでもない、普通の雑木林なのに。

毎年4、5月に、
一年生と新しく赴任した教師が迷子になっても、
騒がれなかったらしい。

自分も練習試合に行くと間違いなく迷子になったけど、
なんで迷うのか納得行かなくてムカついたなぁ。

一度、
向こうの部員が見たいっつったじいちゃんの居合い刀(使用済み)を持ってった時は、
迷わなかったけど。

今は県道が通って跡形もないけど、
自分の行った高校の裏門辺りにも『やま』があった。

親が同じ高校出身なんだけど、
うちから高校まで歩いて15分もないのに、
『やま』を抜けたら異常に時間がたってて遅刻、
ってことがよくあったらしい。

親だけじゃなくて、
裏門使ってる生徒が大抵経験してるから、
学校が『やま』の入り口と途中に時計つけてたって(笑)

でも裏門で待ってる教師は、
絶対『やま』に入って遅刻生徒を急かさなかったんだってさ。

門に立って

「遅刻するなよー」
「早くしろよー」

って。

教師も迷子になるのが怖かったんじゃね。

そういうおかしな事をする森を『やま』って言ってたのかなーと思う。

怖い話にあるみたいに、
山って人を惑わしたりするから。

今は跡形もない高校裏門の『やま』だけど、
アスファルトで舗装されたきれいな道の真ん中に、
今でも蛇イチゴが生える。

『やま』の一部を使って作ったサッカー場の時計は、
気がつくと狂ってたりする。

あの土地は、まだ自分を『やま』だって思ってんだろうな。

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