【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】三頭山の小屋

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】三頭山の小屋

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三頭山の件。

こっちも友人連れの時の話。

当時の自分は(今もだが)金もなくて、
無人小屋や避難小屋を利用した山行をしてた。

先述の御前山同様に奥多摩は近かったから、
よく出掛けた山域の一つだったんだ。

麓の数馬にバスで着いたのが14:00を過ぎた頃で、
当時の地図に載っていた破線状の山道をコースに選んで出発した。

拍手[1回]

何しろそこを使えば、
小屋の近くに突き上げて到着出来ると思ったから。

周遊道路脇の滝の左岸を流れに沿って歩くと、
突然視界が開けて、
一つの炭焼き窯が目に入った。

かすかに登る煙と人がいることに気付くのは、
ほぼ同時だった。

老人が一人、
窯の近くに座って自分らを見てる…

何だ!おまえらは!?と。

会釈して道を登ると、
いつしか踏み後から道が無くなったてしまい途方に。

老人の元に戻り道を尋ねると、

「そんな道はない」

との返事。

避難小屋に泊まる旨を伝えた瞬間、

「あそこに泊まるのはよせ、絶対やめろ!」

と語気強く言われたんだ。

日没も迫り、
何としても小屋に行きたかったので、
別のコースを選び登ることにして出発。

友人等と

「何だ、今の表情は!?」

なんて話しながらね。

それから数時間後に目的の小屋に着いた時にゃ、
日もとっぷり暮れて、
夜の気配がすぐにそこまで迫ってた。

今じゃ綺麗なログハウス調の小屋だが、
当時の小屋は薄暗く“出て”もおかしくない感じだった。

荷物を降ろして食事の準備に入ると、
静かな室内には、
ゴーッと言うストーブの力強い音だけが心地よく響き渡ってた。

翌日のコース確認を済ませ、
シュラフに身を入れたのはそれからあと。

風が強く吹き出したのか、
樹の枝でも当たるのだろう。

時折コンコンと。

数時間後、
フッと人の気配に気付いて目覚めたのは午前1時過ぎ。

自分達以外に誰かが小屋内の隅に居る!

間違いない!

誰かが就寝中に来た様子も音も一切無かったのに…

一体誰だ。

その内になんかブツブツ話すんだよ、
この人影がね。

でも耳を澄ますと、
女の声だとすぐに分かった。

ガサッとかサササーッと音がする。

狭い範囲だが人影は動き回ってる。

怖くて友人を起こすと、
同時に声も人影もスーッと消えてしまった。

実は彼も異変に気付いていたらしい。

少なくとも自分よりも先に。

朝になり、
人影の場所に行った一人が大声で叫んだ。

「何だコレ!!!」

みんなが駆け寄った床には、
女の髪か分からんが長い髪が束状に散らばっていたんだ。

それも尋常な量じゃない、
本当に多量に。

即行で小屋を出たのは言うまでもない。

数年後、
あの炭焼き老人が気掛かりで再訪したところ、

窯は崩れていて、
周囲は荒涼とした風景に変わっていた。

帰途、
麓の店などで老人の事を尋ねて廻ったが、
誰もが

「そんな老人は村内に居ないよ」

と言う。

記憶を辿り人着を言っても、

「地元の者じゃないよ」

とね。

更には、
炭焼き窯や炭焼きの事実すら知らなかった。

自分は驚いたね。

狭い山村で誰も知らないなんて事が本当に有り得るのか?って。

一体あの老人は、小屋泊まり、
いや、行くことすら必死に止めたのか…。

何かを知ってたんだろうな。

今となっては解明出来ず残念だが。

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