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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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五月荘ってのは、
僕の行ってた中学の真横にあったおんぼろアパートで、 僕が入学した時には誰も住んでなかった。
ツタとか雑草が生えてて人の気配は全く無いくせに、 二階の通路にある窓はいつも開いてて、不気味だったんだ。 でも、とうとう立て壊しが決まったらしいって噂を聞いて、 「潰れる前に、中はどんなのか見に行こうよ」 と、連れとともに探検に出かけたんだ。 (山寺に行ったのとほぼ同じ面子。馬鹿ばっか) 中に入ったら、もうボロボロ。
床にも穴が開いてたり歪んで、 歩くと足を取られる。 俺はぜひとも二階の窓を見に行きたくて、 階段を登ろうとしたんだけど、 「とりあえず一階から攻めていこうぜ」 と連れたちが言うので、後回しにした。 一階は三つ部屋があって、 どの部屋にも鍵はかかってなかった。 手前の部屋から入っていく俺たち。 最初の部屋は家具がほとんど残ってなくて、 部屋の真ん中に日本酒の瓶が置いてあって、
その周りに小銭が散らばってた。 床は新聞紙とか雑誌とか散乱してて汚い。 「乞食が生活してたんじゃないの?」 とか言いつつ次の部屋へ。 次の部屋は何にも無かった。 びっくりするぐらい綺麗に何にも。 でも床の真ん中が窪んでるんだよ。 「なんだこれ」 って連れの一人がその窪みに入っていったら、 ずどん!って床が抜けて、
連れは落とし穴にはまったみたいに上半身だけ出して、怒ってた。 で、最後の奥の部屋。 後付なのかも知れないけど、 その部屋には入るの嫌な感じがしたんだ。 連れがドアを開け放ったとき、 ここに来たことをすごく後悔した。 部屋には、なんというか、 今でも映像は記憶として残ってるんだけど、 真実味が全く無い。 でも、ほんとに、 部屋にはもう埋め尽くすぐらいマネキンが立ってたんだ。 ほんと100体ぐらい。びっしり。 ドアを最初に開けた奴が 「うわ!」って叫んで逃げ出した。 俺も逃げた。 残った連れがしばらくして出てきて、 「あのマネキン、全部女のだった」 って言ったとき、 めちゃくちゃ怖かった。 それからずっとさ、気になるんだよ。 教室から見える、二階の廊下の開いてる窓。 暗くて何も見えないんだけど。 あそこから俺を見張ってたらどうしようとか、 もうそんなことばっかりよぎるんだ。 しばらくして、ほんとに建て壊されたけど、 もうほんと、二階に登ってなくてよかった。 PR コメントを投稿する
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