【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】立体駐車場地下で浮遊物が見えた

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】立体駐車場地下で浮遊物が見えた

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今から数年前、
大学生のころパチンコ屋でアルバイトをしていた。

と言ってもホールではなく、
駐車場の警備員だった。

時給はホールよりも安いが、
シフトの自由と体力的に楽だったので、
結構気に入って働いていた。

拍手[1回]

店の営業時間は朝10時から夜の11時。

駐車場警備員は全部で5人。

私のほかはみな社会人だった。

そのうち3人はシルバー人材センターからの派遣、
もう一人は自衛隊上がりで警備会社から直接雇用の岩山さんだった。

その岩山さんと私は比較的年齢が近く、
一緒の勤務上がりの時には飯に行ったりしてそこそこ仲が良かった。

2年間のアルバイトで怖い話が二つある。

週に4回ほどのアルバイトを始めて半年くらい経ったころ、
遅番の勤務に入ると、
同シフトの岩山さんが手招きをして言った。

最近立体駐車場の地下の一番奥で、
少し不思議なことが頻発してると言う。

岩山さんではなくシルバー派遣の人が見たらしいのだが、
閉店後、駐車場一番奥で女性を見かけたらしい。

懐中電灯を持ち近づいて行くと消えた。

それも梅雨を迎えた最近になって見かけるようになったとの事。

岩山さんは

「世の中には不思議な事があるからな~」

とつぶやいていた。

夕方に近づくにつれて雨が降り出した。

その日はたまたま翌日が新装入れ替えで、
夜10時で閉店だった。

10時を少し回って最後の換金客も出たころ、
ホールスタッフが私達の方に近づいてきた。

防犯カメラに変なものが映っていると言う。

例の場所、立体駐車場地下で、
風船かなにかに見える浮遊物が見えたらしい。

勤務時間過ぎているが確認に行ってくれないかと頼まれた。

電灯はすべて落ちていて真っ暗。

その中を岩山さんと二人で、
マグライトをそれぞれ持って確認に向かった。

事務所との連絡用にインカムも持って。

まずはエレベーターで屋上に向かい、
そこから下に降りていく事にした。

屋上・・・特に異常なし。

インカムで伝える。

3階・・・異常なし。

真っ暗闇に4本の光の筋が通る。

怖い。

2階・・・異常なし。

インカムで伝えると、
地下で何か動くものが見えるとの返事。

今、マネージャーが、
非常灯だけでなく通常灯をつける準備をしているとの事。

その間に1階に下りた。

異常なし。

1階の換金所前に、
ホールスタッフ数人とマネージャーがいた。

一緒に行くと言う。

通常灯が点いてもなお薄暗い中を進む。

地下に降りると空気が一変した。

雨の音が小さくなり静かにはなったが、
何故か冷たく感じた。

皆の息が荒くなる。

光が薄暗く、
懐中電灯の光も弱弱しくなったような・・・気がする。

余談だが、
プレステ用ゲーム『トワイライトシンドローム』を初めてした時、
この時の空気が変わった雰囲気をよく再現していた事にびっくりした。

あのゲームを作った人の中には、
実際に怪奇現象の経験者がいると思う。

駐車場地下最奥に向かい、
壁に懐中電灯を向けた。

いた。

車が止められない物置スペースになっている場所に、
何か白いもの。

光に反射する水蒸気のようなもの。

スーッと動いて壁の中に消えた。

全員見た。

「わーっ!」

と大声を上げて逃げ出す。

換金所まで戻り、
そこで皆息をつく。

・・・1人足りない。

ホールスタッフの学生バイトだ。

今度は岩山さんと私の二人だけで戻る。

マネージャーと他のスタッフが嫌がったからだ。

その取り残されたスタッフの名前を呼びながら、
また地下最奥へ向かった。

ところが今度は、
先ほど感じた空気の変化を感じない。

普通の感じだ。

電灯も懐中電灯の光も、
先ほどとは違い明るく感じる。

最奥まで行く手前で、
ゆっくりとそのホールスタッフが帰ってきた。

そして、

「前にいつも新海を打っていた奥さんですよ」

と私達に言う。

何で分かるの?と聞くと、

「見えるんですよ、俺」

と。

もう今は消えていないと言う。

その話を聞いたマネージャーが、

「最近あの奥さん来ていないからな・・・。
亡くなったのかもな」

ほとんど毎日来ていた常連さんだという。

そう言えばここ2~3週間見ない。

それから1ヶ月くらい経ったころ、
早番で開店前入場者の整理をしていると、
その奥さんの姿があった。

「あなた、死んでたハズ・・・」

とびっくりしていると、
マネージャーが駆けつけてきた。

久しぶりですお待ちしていました、
みたいな事をマネージャーが言うと、
意外な答えが返ってきた。

その奥さんはこの2ヶ月、
重病になって入院していたと言う。

一時期は危篤で、
死の一歩手前まで行ったらしい。

そんな時、
パチンコ好き(と言うより海好き)を知っていた奥さんの家族が、
枕元で海物語の通常変動、走って当たり、
さらに確変昇格、サム等の音楽を流し続けたらしい。

奥さんは夢か幻か死の床で魚群を見たらしい。

そうしたらもう一度パチンコがしたくなって、
死ぬものかと踏ん張ったと。

そしてその時に、
うちの店に入ろうとするが入れない、
そんな夢を何度も見たらしい。

そしていつも店に入れなくて、
車を止めていた地下駐車場で悔しい思いをしたんだと。

・・・で、
その夢の時期が梅雨の時期と一致していたのです。

マネージャーは

「どんだけパチンコ好きなんだよ?!」

と何度も言っていました。

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