【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】廃村巡り

忍者ブログ
【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【ほん怖】廃村巡り

スポンサーリンク


部活の顧問から聞いた話です。

若い頃に一人で山に登ったときのこと。

その山は中国山地にあり、
昔は村や集落が多くあったそうです。

しかし、今では過疎化が進んで廃村になっているところが多く、
顧問はそういった廃村等を写真に残そうと思い行ったそうです。

顧問は昔の地図と今の地図を見比べ、
廃村を探しながら歩いていると、
道の跡のようなものを見つけたそうです。

拍手[3回]

「ここを行けば廃村があるかも」

と思い、道を辿っていると、
ちょっと開けた場所にでたそうです。

そこには立て札があり、
顧問の目指す廃村の名前と距離が書いてありました。

「もう少しだな」

と思い、距離と方向を確認し、
再び歩き出しました。

しばらく歩くと、
雑草に覆われていた道がちゃんとした道になり、
まるで誰かが整備しているような感じになったそうです。

もうしばらく歩くと村が見えました。

廃村ではなく、
普通の村だったそうです。

「おかしいな、今年の地図には村が載ってないのに」

と思いながらも目的の村に到着。

家や建物があり、
道路には砂利が敷かれており、
廃村ではなさそうな感じだったそうです。

廃村かと思っていた顧問はガッカリして、
とりあえず散策するかと思い、
村を歩いてみたそうです。

そうすると、

「変だな」

と思いはじめました。

村に人がいないのです。

生活感はそこら中にあったですが、
誰にも会わなかったそうです。

その日は日曜日なのに出歩いている人がいません。

「村を一望できるところに行ったら人が見えるかもしれない」

と思った顧問は、
地図に載っていた高台にある神社に行くことにしました。

その神社は村から少し離れた高台にあり、
村を観察するには丁度いい場所にあったそうです。

石段を登り、境内に着くと女の子がいたそうです。

「やっと村人に会えた」

そう思った顧問は女の子に話しかけようとすると、
先に女の子が話しかけてきました。

「おまえ、外の人間か?」

お前、と呼ばれたことに少し戸惑ったそうですが、

「そうだよ、町からこの村に来たんだ。
ここは人が住んでいるの?」

と聞くと、

「いいや、ここは廃村だ。
だから、すぐ帰れ。
昼になると大人が帰ってくる。
そうしたら、お前はここから帰れなくなる」

「どういう意味?」

と顧問は尋ねたそうですが、
女の子は首を振って、

「いいから、帰れ。
お宮の裏の道を行けば帰れる。
早く帰れ」

とにかく帰れ、と真剣な顔で言われ、
顧問はその女の子の言う道を使い村から出たそうです。

「変な子供だなあ」

と思いながら歩いていると、
いつのまにか元の道に戻り、
そのまま出発した麓まで戻ってきたそうです。

後日、その村について調べてみたそうですが、
昭和の半ばに過疎化により廃村になり、
以後、そのままと言うことがわかったそうです。

そんな事があっても顧問は廃村巡りを止めませんでした。

その話を聞いた後、私は

「そんな事があったのに、止めないんですか?」

と聞くと、

「山中異界って言うじゃろう?
どこの山も不思議なことはあるんだ」

といいました。

PR

コメントを投稿する

HN
タイトル
メールアドレス
URL
コメント