【ほん怖】ほんのりと怖い話まとめ - 【ほん怖】赤ん坊の記憶

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【ほん怖】ほんのりと怖い話をまとめました!「怖い話は好きだけど、眠れないほど怖い話は読みたくない!」そんなあなたにぴったりな『ほんのりと怖い話』をお楽しみください。
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【ほん怖】赤ん坊の記憶

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祖母は八人姉妹だったので、私の母が生まれた時は
たくさんの姉妹達(母にとっては叔母達)がお祝いに来ました。

生まれた時と言っても、さすがに生後すぐに親戚にお披露目するわけにはいかないので、
2ヶ月ぐらいになるのですが、そのときの話です。

母にはすでに二人の兄がいたのですが、
祖母の姉妹達は祖母の前では最初の女の子という事もあり、
「可愛いお嬢ちゃんやね~、将来が楽しみやわ~」などと褒めていたのですが、

祖母がその場を離れると、

「不細工な赤ん坊やなあ、せめて目の所だけでも、お兄ちゃんと取り替えられたら良かったのに」
「嫁の貰い手も苦労するやろうな、せめて男の子やったら…」

などと口々に、まだ赤ん坊だった母をけなしたそうです。

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母はその時の衝撃が忘れられず、
生後2ヶ月にして『大人は裏表がある』と思うようになりました。

だから叔母達にもあまりなつかなかったのですが、
その時に一人だけ悪口を言わなかった叔母にはなついていたそうです。

その後、母は成長し私の父となる人と見合いをして、縁談がまとまり始めた頃の事です。

結婚式の具体的な話をするため、叔母の一人が着物の柄など見本を持ってきました。

叔母は「せっかくの花嫁さんやから、ええ着物を選ばんとねぇ。どんなんでも似合うやろけど」と言いました。

それを聞いた母は何気なく言いました。

「私が赤ちゃんの時は、あれだけ『不細工な、嫁の貰い手もないやろ』って言っていたのに」

叔母は血相を変えて言いました。

「あんたが言葉をわかるようになってからはそんな話せえへん!」

ある意味では叔母は正直でした。言った事だけは認めたのです。

しかし、母はその記憶に確証を持っていたので言いました。

「私は確かに赤ちゃんで言葉は話せなかったけど、
人の話がいつからわかるようになるか、叔母ちゃんはどうやってわかったん?」

叔母はもう何も言い返しませんでした。

その後、叔母達は不用意に赤ん坊の前で話をする事はなくなりました。

母はもとから叔母達を信用していたわけではないので、
それ以上関係が悪化する事もなく現在にいたります。

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